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次回開催

戸谷成雄 森―湖:再生と記憶

2021.10.16.Sat.

- 2022.01.16.Sun.

「彫刻」の概念の再構築を試み、一貫して「彫刻とはなにか」を追求し続けてきた日本を代表する彫刻家、戸谷成雄。チェーンソーで木を彫り刻むことで生まれる作品には、文明論的近代批判、人間への洞察、土地の記憶、自然への想像力が深く刻み込まれています。本展では、ダムの建設により誕生した人工湖の畔にたたずむ当美術館の時空間をひとつのインスピレーションとして、巨大なヴォイド(アトリウム空間)を中心に、<森><土地><水脈>に連なる作品を展観します。戸谷の彫刻世界の新たな魅力を発見いただければ幸いです。

見どころ

水根Ⅱ(スワ),2005

森から水源へ―戸谷の彫刻世界を体感

鉄芯を埋め込んだ木のブロックをチェーンソーで彫り刻む《森》シリーズで知られる戸谷成雄。「彫刻とはなにか」を問い続ける戸谷にとって、「森」は「彫刻」と同義であり、世界を認識し造形するための中心言語として、創造の源泉であり続けています。
本展では、《森》シリーズに連なる《双影景》、《地霊Ⅳ》、《雷神-09》、森の根を思わせる幅3メートル、高さ4メートルの《水根Ⅱ(スワ)》、さらに無数の視線の集積によってつくり出される《視線体-散》を展示、森をさまよい、その根源におりていくように、戸谷の豊穣な作品世界を体感していただきます。

双影景, 2008 撮影:山本糾 

湖畔の展示空間全体と共振するインスタレーション

房総半島を貫流する養老川をせき止めてできた巨大なダム湖・高滝湖。そのポジ/ネガのようにたたずむ市原湖畔美術館は、地下と地上をつなぐ大きな吹抜け空間を特徴とします。本展では、この空間を最大限に活かし、戸谷の大型作品をダイナミックに展開します。「視線」「表面」「内部と外部」「地上世界と地下世界」「自然と人間の関係」「近代」のメタファーとしての展示空間と、戸谷の彫刻世界との化学反応をお楽しみください。

関連展示「湖の記憶」

高滝湖は、「暴れ川」と呼ばれ度重なる氾濫で人々を苦しめた養老川の本格的改修と工業化・人口増に伴う水源開発を目的に、20 年以上の歳月をかけて建設された高滝ダムとともに1990年に誕生しました。しかしそれと引き換えに、 110 戸の家が湖の底に沈みました。本展の開催に際し、ダムが出来る以前の地域の写真を募集、資料とともに「多目的ホール」で展示します。

プロフィール

撮影:武藤滋生

戸谷成雄[1947-]

1947年長野県生まれ。埼玉県秩父にアトリエをかまえる。愛知県立芸術大学大学院彫刻専攻修了。ポスト・ミニマリズムやもの派といった潮流の中で解体された彫刻の再構築を試みて、1970年代より一貫し人間の存在認識に通じる彫刻の原理とその構造を追求し、作品の実践を持ってその本質と可能性を提示し続けてきた。洞窟、ギリシア・ローマ彫刻から現代に至る古今東西の芸術史観を自由に往来し、類い稀な彫刻論に裏付けされた作品群により、日本、アジア、パシフィックを代表する彫刻の第一人者と目される。
主な展覧会に「<山–森–村>戸谷成雄」(町立久万美術館、1994)、「視線の森」(広島市現代美術館、1995)、「戸谷成雄 森の襞の行方」(愛知県立美術館、2003)、「洞穴の記憶」(ヴァンジ彫刻庭園美術館、2011-2012)、「戸谷成雄─現れる彫刻」(武蔵野美術大学 美術館・図書館、2017)など。1988年ヴェネチア・ビエンナーレ参加以降、第1回アジア・パシフィックトリエンナーレ(ブリスベン、1993)、光州ビエンナーレ(2000、アジア賞受賞)など多くの国際展に参加し、国内外で活躍。
2004年芸術選奨文部科学大臣賞、2009年紫綬褒章受章。武蔵野美術大学彫刻家名誉教授。

基本情報

開館時間平日/10:00~17:00、土曜・祝前日/9:30~19:00、日曜・祝日/9:30~18:00(最終入館は閉館時間の30分前まで)
休館日毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月27日-1月3日)
料金一般:800 円(700 円)、65 歳以上の方・大高生:600 円(500 円)
()内は20 名以上の団体料金。中学生以下無料、障がい者手帳をお持ちの方とその介添者(1 名)は無料。
主催市原湖畔美術館 [ 指定管理者:(株)アートフロントギャラリー ]
協力シュウゴアーツ