この度、「戸谷成雄 森―湖:再生と記憶」の関連展示として「湖の記憶」を多目的ホールにおいて開催いたします。
市原湖畔美術館がそのほとりに建つ高滝湖は、1990年、高滝ダムの建設によって誕生した人工湖です。高滝ダムは、「暴れ川」と呼ばれ、度重なる氾濫で人々を苦しめた養老川の本格的改修と、市原市北部の工業化・人口増に伴う水源開発を目的に20 年の歳月をかけて建設されました。しかし、それと引き換えに 110 戸の家が湖の底に沈みました。
本展は、地域の方々や施設からご提供いただいた写真や資料を通して、ダム建設以前にこの地域で営まれていた人々の暮らし、農作業、祭り、養老川の風景の一端を伝えようと企画されました。地域を知り、来し方、行く末に思いを巡らせるきっかけになれば幸いです。