前田:市原湖畔美術館は2025年末から大規模改修に入っていますが、部分開館という形で5か月ぶりに企画展を開催することになりました。それがこの「暗闇をくぐってみたら」という連続個展シリーズです。普段は閉じているミュージアムショップ奥の開口部を開き、トンネルに見立てて展示室に入っていく設えになっています。トンネルをくぐった先に、アナザーワールド――いつもとは違う世界が広がっている。そういった展覧会ができないかということで、Part1として竹内公太さんに展覧会をお願いすることになりました。
今日は竹内さんが約4ヶ月にわたって市原で滞在制作をされていた間にお世話になった方々、そしてこの市原を知り尽くしている方々にご参加いただき、トークセッション「大放談‼『市原にアナザーワールドはあるのか』」を開催します。
竹内:はじめまして、竹内公太と申します。福島県のいわき市というところから参りました。福島県の沿岸付近に暮らしながら、いくつかの土地を訪ねて創作活動をしております。福島の沿岸部には、2011年の東日本大震災でダメージを受けた地域がございます。そうしたところで取材をしたり、避難者の方と共同して活動したりしていましたから、復興事業というのが、進みつつも難しい状況を抱えているのを見てきました。それもあってこの市原に来たときに、人口減少といった地域の課題の話は聞くものの、人が住んで、植物や景観を手入れして、その風景を目当てにカメラを携えた人々が観光しに来る様子に、「豊かだな」とじーんと感じたところがございます。そういう空気を吸いながら、市原について調べて、作品という形で恩返しができればと思いながら展覧会を準備しました。