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※竹内公太(2026年3月25日)

特別コラム3(全 3 回):暗闇をくぐってみたら Part1 竹内公太展「のののののまつり」

レポート2026.06.19
市原湖畔美術館では、5 月 1 日より 暗闇をくぐってみたら Part1 竹内公太展「のののののまつり」を開催しています。本コラムでは竹内公太の約 4 ヶ月に渡る市原市での”滞在の記録”(制作メモ)を手がかりに全 3 回にわたり、制作の背景やプロセスを辿ります。

第3回 展示室の世界とこの世界

※竹内公太

これまでのコラムでは、市原でのリサーチや制作の過程をご紹介してきました。
太陽や月を撮影し、滝や隧道を訪ね、石造物を調べる。地域の方々に話を聞きながら、市原の風景と向き合い続けた 4 か月。
それらは最終的にどのような展示へと結実したのでしょうか。

鳥を待つ

竹内公太《三面世界へ》2026年、 撮影:田村融一郎

4 月になると、竹内は石造物の撮影をひと段落させ、新たに鳥の撮影に取り組み始めます。

制作メモには、「『世界』の展示をするために鳥を撮影したいと思っていた」とあります。
しかし鳥たちは思うようには飛んでくれません。「あ、鳥だ」と思ってからカメラを向けても遅い。
そこで今度は「鳥を撮る」と決めて田んぼへ向かいます。

農家の方が耕運機を動かしたあとに小鳥たちが集まること。電線に並んでいた鳥たちが一斉に飛び立つこと。
そうした風景を観察しながら撮影を続けました。やがて養老川沿いの竹林でカワウのコロニーを見つけます。
朝、じっと待っていると、大勢のカワウが一斉に飛び立つ瞬間が訪れました。
けれど、それはほんの十数秒ほどの出来事。「慌ててカメラを向けるので、うまく撮れない」
翌朝もう一度行く。夕方を狙う。それでも思うようにはいかず、「しばらく鳥に翻弄される」と書かれています。

異世界を探して、この世界へ

竹内公太《テレビのある集会所》2026年 撮影:田村融一郎

本展の出発点には、美術館から竹内へ投げかけられた「暗闇をくぐる体験」そして「異世界」というテーマがありました。
一方で竹内は、現実世界の風景への関心からリサーチを進めます。

路傍の馬頭観音。 子安像。 忠魂碑。 太陽や月。 鳥たちの動き。
それらは特別な場所にあるものではなく、市原の日常のなかに存在していました。

「展示室からの出口は、この世界への入口」

竹内公太《三面世界へ》2026年、 撮影:田村融一郎

オープニングでのスピーチでは、
「展示室からの出口は、この世界への入口」
という言葉が語られています。

そして、
「展覧会で見た風景が、この世界の見え方にわずかな変化をもたらすことがあれば、私はそれをささやかな異世界と呼びたい」としています。

4か月にわたるリサーチの先に立ち上がった「のののののまつり」。
展示室の中ではどのような風景が広がり、この世界の見え方にどのような変化をもたらすのでしょうか。
竹内公太の「のののののまつり」を、そしてその続きを、ぜひ実際にご体感ください。

基本情報

暗闇をくぐってみたら Part1 竹内公太展「のののののまつり」会期:2026年5月1日(金)~6月28日(日)

開館時間
平日/10:00 〜 17:00 土曜・祝前日/9:30 〜 19:00 日曜・祝日/9:30 〜 18:00
最終入館は閉館時間 30 分前まで
休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)
料金 一般:800 ( 600 )円 / 大高生・65 歳以上:600( 400 )円
*()内は 20 名以上の団体料金。
*中学生以下無料・障がい者手帳をお持ちの方(または障害者手帳アプリ「ミライロID 」提示)とその介添者(1 名)は無料
主催 市原湖畔美術館[指定管理者:(株)アートフロントギャラリー]