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※竹内公太(2025年12月26日)

特別コラム2(全 3 回):暗闇をくぐってみたら Part1 竹内公太展「のののののまつり」

レポート2026.06.13
市原湖畔美術館では、5 月 1 日より 暗闇をくぐってみたら Part1 竹内公太展「のののののまつり」を開催しています。本コラムでは竹内公太の約 4 ヶ月に渡る市原市での”滞在の記録”(制作メモ)を手がかりに全 3 回にわたり、制作の背景やプロセスを辿ります。

第2回は、野にあるものを見つめる

※竹内公太撮影(2026年1月1日)

今回は、リサーチがどのように展覧会へとつながっていったのかを辿ります。
1月、竹内は太陽や月の撮影を続けていました。
「私自身の興味のテーマはある。でもその前に、本当に作品で『世界』を扱うことができるのか、確かめなくてはならない」
そんな言葉が制作メモに残されています。

『世界』を扱うこと

※竹内公太撮影(2026年1月1日~19日)

「暗闇をくぐってみたら」や「異世界のような体験」という、美術館から提示された劇場型の連続個展のテーマに向き合うなかで、竹内は「世界」をどのように作品として扱うことができるのかを考え続けていました。

月の出る時間は毎日変わります。深夜に月を撮影し、そのまま車中で朝を待ち、日の出を撮る日もあったそうです。日中は滝を訪れ、隧道(ずいどう)を歩き、野焼きをしている人に声をかけ炎を撮影する。
そうした時間を重ねる一方で、展示室では映像投影のテストも進められていました。暗幕を張り、カーペットを敷き、プロジェクターを何台使えるのかを確かめる。市原の風景を見つめながら、一方では展示室の中にどのような空間を立ち上げるのかを探る日々。

『のののののまつり』が生まれる

※竹内公太撮影(2026年1月18日~3月)

2月から3月には、天体の撮影を続ける中で馬頭観音や子安像、忠魂碑といった石造物を訪問していきます。
市原市内の馬頭観音像や子安像の場所に繰り返し足を運びました。日の当たる時間は場所ごとに異なるため、同じ場所を何度も訪れて撮影し直したといいます。
「できるだけ日の当たる状態で、生き生きと撮りたい」
と記され、石像を単なる風景としてではなく、時間の中に存在するものとして捉えようとする姿勢が感じられます。

月を待つ時間のなかでは、月待講や子安講といった民間信仰について考えるようになり、「まつり」という言葉に含まれる様々な意味にも思いを巡らせていきました。

「のの(太陽や月を指す幼児語)の、野の、まつり」という言葉が並びます。

太陽や月、野に立つ石造物、地域に残る信仰や、戦争の痕跡。そうしたものへの関心が重なり合うなかで、「のののののまつり」ということばが浮かんできました。

「"異世界"ならこれくらいのことは起こりうる。けれど現実世界とどれほどの差があるのだろう」制作メモより

※竹内公太撮影

太陽や月を待つこと。
石造物を訪ねること。
地域に残る祈りや記憶に目を向けること。
そして、展示室の内外で風景のあり方を探ること。

そうした竹内の時間の積み重ねのなかで、「のののののまつり」は少しずつ形づくられていきました。作品の背景にあるリサーチや試行錯誤の痕跡にも目を向けながら、ぜひご高覧ください。

基本情報

暗闇をくぐってみたら Part1 竹内公太展「のののののまつり」会期:2026年5月1日(金)~6月28日(日)

開館時間
平日/10:00 〜 17:00 土曜・祝前日/9:30 〜 19:00 日曜・祝日/9:30 〜 18:00
最終入館は閉館時間 30 分前まで
休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)
料金 一般:800 ( 600 )円 / 大高生・65 歳以上:600( 400 )円
*()内は 20 名以上の団体料金。
*中学生以下無料・障がい者手帳をお持ちの方(または障害者手帳アプリ「ミライロID 」提示)とその介添者(1 名)は無料
主催 市原湖畔美術館[指定管理者:(株)アートフロントギャラリー]