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「第12回市原湖畔美術館子ども絵画展」レポート

レポート2025.02.06
2月1日(土)からオープンした「第12回市原湖畔美術館子ども絵画展」。今回は、ゲストアーティストとして世界でも注目を集める絵本作家、荒井良二さんに子どもたちの作品の審査や会場構成に入っていただきました。それだけではなく、展覧会では、荒井さんが自ら手掛けられたドローイングや過去作、新作の絵画が子どもたちの作品と一緒に展示されています。そんな本展のために荒井さんが4日間の設営期間中、展示室で手掛けられた様々な「仕掛け」には遊び心と魅力がいっぱいです。

2時間で描き上げた巨大壁画!

企画展示室の入口にまず目に入ってくるのは、弾けるような色彩で描かれた巨大壁画。真ん中に描かれた2人の子どもたちが遊んでいるように見えます。荒井さんが設営期間に、手や絵の具のチューブをそのまま壁に付けて2時間で描き上げた、ここでしかみることができない壁画です。鮮やかな色合いがお出迎え。ワクワクした気分を高めてくれます。

荒井さん手書きの名札 その数なんと296点!

展示室には、今回審査で選ばれた子どもたちの作品296点が展示されているのですが、その一つ一つに荒井さん自らが手書きで作った子どもたちの名札がピンクの糸で結ばれています。設営中も子どもたちの作品を見ながら、「この絵いいね!」「この作品はここにしよう。」などと作品それぞれの設置場所を考えてくれ、子どもたちの作品と真剣に向き合う姿がありました。

子どもたちの絵と呼応する"即興"ドローイング

リコーダーを吹く僕、猫、ランドセル、お気に入りの赤いスニーカー、ゴリラ...子どもたちの作品に描かれたモチーフを見ながら荒井さんが展示室で即興的にドローイングを数点描きました。色鉛筆で描かれた荒井さんのあたたかみのあるドローイングは、子どもたちの作品と呼応しているかのようにテーブルに並んでいます。

星のように散りばめられた小物たち

「うつくしいってなに?」を問いかける本展。最後の展示室には、会場中央に荒井さんがアトリエで保管していた小物や石、おもちゃたちが散りばめられ、子どもの時に大切にとっておいた「うつくしいもの」を思い起こさせます。荒井さんが昨年、詩人・最果タヒさんの文で刊行された絵本『うつくしいってなに?』(小学館)で描かれた夜空の星を再現しています。本作の原画展も初公開となりますので、ぜひご覧ください。

基本情報

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